
「大きな板から、家具の部品や看板を正確に切り出したい」
「手工具だけでは難しい曲線や、同じ形の部品を作ってみたい」
そんな制作を支える機械が、大型CNCルーターのShopBot(ショップボット)です。FabLab糸島にはShopBotを設置しており、初回講習を受けた会員の方が利用できます。
この記事では、ShopBotがどのような機械なのか、制作を始めるまでに何が必要なのか、FabLab糸島での講習費と利用料金を初心者向けに紹介します。
ShopBotとは?
ShopBotは、コンピューターで制御するCNCルーターです。CNCは「Computer Numerical Control」の略で、あらかじめ作成したデータに沿って刃物をX・Y・Z方向へ動かし、材料を切削します。
一般的な電動ドリルは主に刃先で穴を開けますが、CNCルーターで使うビットは、先端だけでなく側面も使いながら材料を削ります。そのため、直線だけでなく、曲線、穴、溝、文字、複数の部品などをデータから加工できます。
ShopBotの公式資料では、CNCルーターは木材、MDF、プラスチック、フォーム、アルミなどの非鉄金属を含む多様な材料の切削に利用されると説明されています。ただし、FabLab糸島で実際に加工できる素材、厚み、条件は、機械の仕様、使用する刃物、安全性によって異なります。材料を購入したり持ち込んだりする前に、必ずご相談ください。
ShopBotで作れるもの
ShopBotは、デジタルデータから比較的大きな部品を作りたいときに力を発揮します。たとえば、次のような制作が考えられます。
- 椅子、棚、机などの家具部品
- 店舗や展示会で使う看板、サイン
- 展示台、什器、パネル
- 円や曲線を含む木工部品
- 同じ形を複数作るための部品や治具
- 凹凸や文字を削るレリーフ加工
- 建築模型や試作品の部材
これは一般的な用途の例であり、FabLab糸島での加工可否を保証するものではありません。作りたいものの図、寸法、材料、希望時期が分かると、利用前の相談が進めやすくなります。
レーザーカッターや3Dプリンターとの違い
デジタル工作機械には、それぞれ得意な加工があります。
ShopBot
回転する刃物で材料を削る「切削加工」です。大きな板材から部品を切り出したり、溝や段差を付けたりする制作に向いています。刃物の直径や形状が仕上がりに影響します。
レーザーカッター
レーザー光で材料を切断・彫刻します。細い線や細かな形を作りやすい一方、使用できる材料には制限があります。
3Dプリンター
材料を少しずつ積み重ねる「積層造形」です。立体形状を作りやすい一方、大きな板材を切り出す用途とは制作方法が異なります。
完成品によっては、ShopBotで大きな部品を作り、レーザーカッターや3Dプリンターで細部を追加することもできます。複数の機械を組み合わせられることもFabLabの魅力です。
データから加工までの基本的な流れ
ShopBotの加工は、ボタンを押すだけでは始まりません。おおまかには、次のような準備が必要です。
- 作りたいものの形と寸法を決める
- CADなどで形状データを作成する
- CAMソフトで刃物、加工経路、深さなどを設定する
- 加工用データを作成する
- 材料と刃物を確認し、材料を安全に固定する
- 原点や加工範囲を確認する
- 周囲の安全を確認して加工する
- 加工後の部品、機械、作業場所を確認する
特に重要なのが、材料の固定、刃物の選択、加工経路、原点、安全確認です。設定を誤ると、材料や刃物が破損したり、機械が想定外の方向へ動いたりする可能性があります。
初めて利用する方は、自己判断で機械を動かさず、初回講習で基本操作と安全上の注意を確認してください。
FabLab糸島で利用を始めるには
FabLab糸島の道具やデータ作成用PCを利用するには、会員登録が必要です。デジタル工作機械を利用する場合は、機械ごとの初回講習を受講してください。
1. 会員登録
入会金は1,100円です。会員登録のための事務手数料で、一度登録すれば期限はありません。入会日に施設内でお支払いいただきます。
2. ShopBotの初回講習
ShopBotの初回講習費は3,850円(税込)です。
講習の実施日時、所要時間、当日に必要なものは、事前にお問い合わせください。講習内容の詳細は、利用者の経験や設備の運用状況を確認してご案内します。
3. 機材を予約・利用
大型CNC(ShopBot)の基本利用料金は、1時間3,300円(税込)です。
利用料金は、機械が刃物を動かしている時間だけではなく、ShopBotと専用PC・ソフトを操作するために確保した時間に対して発生します。加工データの確認、材料の設置、原点確認なども含め、余裕を持った時間を考えてください。
空いているPCでのデータ作成や、施設内の工具の使用には料金はかかりません。
最新の条件はFabLab糸島の料金表でご確認ください。
初めて相談するときに伝えてほしいこと
まだ加工データが完成していなくても、まずは作りたいものをお知らせください。次の情報があると、必要な準備を整理しやすくなります。
- 作りたいものと用途
- おおよその縦・横・厚み
- 希望する材料
- 1個だけ作るのか、複数作るのか
- 図面や手描きのスケッチがあるか
- CADデータや加工データがあるか
- 希望する完成時期
- ShopBotやCAD・CAMを使った経験
加工できるか分からない場合も、材料を購入する前にお問い合わせいただくのがおすすめです。
安全に利用するために
ShopBotは大きな材料を加工できる一方、刃物が高速で回転し、機械も自動で動きます。安全のため、次の点を守ってください。
- 講習を受ける前に機械を操作しない
- スタッフの確認なしに通電、運転、刃物交換、設定変更をしない
- 加工中の機械や回転する刃物へ手を近づけない
- 材料固定や加工範囲に不安がある状態で運転しない
- 異音、振動、材料の浮きなどを感じたら、自己判断で続行しない
- 使用できる材料か不明な場合は、加工前に確認する
- 必要な保護具と施設のルールに従う
この記事はShopBotの概要を紹介するもので、実機講習の代わりにはなりません。安全条件と操作方法は、FabLab糸島での初回講習時に確認してください。
ShopBotで作ってみたいものをお聞かせください
「この形は作れる?」「データはどこまで準備すればよい?」「初回講習を受けたい」といった段階からご相談いただけます。
お問い合わせ本文に「ShopBot利用希望」と記載し、作りたいもの、素材、サイズ、希望時期を分かる範囲でお知らせください。