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ペットボトルキャップ、押してみた!FabLab糸島にWonderPressがやってきました

FabLab糸島に、ちょっとすごい機械がやってきました。

その名も、xTool WonderPress

名前からして、何か面白いことが起こりそうです。まずは身近なペットボトルキャップを並べて、ぎゅっとプレスしてみました。

カラフルなキャップは、熱と圧力でどんな姿に変わるのか。その先で、粉砕して、フィラメントにして、3Dプリンターで新しい形を作れるのか。

まだ答えは分かりません。でも、分からないからこそ試してみたい。FabLab糸島の新しい素材実験が始まります。

FabLab糸島に導入した白いxTool WonderPressの全景

熱と圧力で、素材の可能性をひらく

WonderPressは、モジュールを交換しながら使うヒートプレスです。メーカー公式情報では、平面への熱転写や昇華、別モジュールによる真空成形、加熱・硬化など、複数の加工方法に対応する機械として紹介されています。

でも、FabLab糸島がいちばんワクワクしているのは、この機械の用途を既製品づくりだけで終わらせないことです。

地域で出る素材を、もう一度ものづくりへ戻せないか。ゴミ箱へ向かうはずだったものに、別の行き先を作れないか。WonderPressを、そんな問いを試すための実験装置にしてみたいと思っています。

ただし、ペットボトルキャップから3Dプリンター用フィラメントを作ることは、WonderPressだけで完結する機能ではありません。今回のプレスは、粉砕やフィラメント製造へ進む前に、廃プラスチックが熱と圧力でどのように変化するかを見る最初の試験です。

まずはキャップを、ぎゅっ

記念すべき最初の素材は、色の違うペットボトルキャップです。

黄色、ピンク、白。小さなキャップをプレス面に並べると、それだけでも少し作品のように見えてきます。

xTool WonderPressのプレス面に並べた色の異なるペットボトルキャップ

プレス後に現れたのは、キャップの色が混ざり合った、不思議な模様の薄いサンプルでした。

「おお、こうなるのか!」

まだ均一な材料でも、完成品でもありません。けれど、丸いキャップだったものが、見たことのない色と形に変わる瞬間は、なかなか楽しいものです。

もちろん、温度、時間、圧力、素材の種類、洗浄や乾燥の状態など、確認しなければならないことはたくさんあります。

ペットボトルキャップを試験的にプレスしてできた緑・白・青の薄片状サンプル

それでも、捨てられるはずだったキャップが、目の前で「次に使えるかもしれない素材」へ姿を変えたことは、次の実験を考えるには十分な一歩でした。

次は、砕いて、のばして、3Dプリントへ?

現在思い描いているのは、こんな流れです。

  1. 身近な廃プラスチックを集め、樹脂の種類ごとに分ける
  2. 汚れや異物を取り除き、洗浄・乾燥する
  3. 少量ずつプレスして、素材の変化を記録する
  4. 安全に粉砕できる条件を確認する
  5. フィラメント製造機で、3Dプリントに使える線材を試作する
  6. 3Dプリンターで出力し、状態を評価する

これは、まだ確立した工程ではありません。うまく成形できない。割れる。詰まる。フィラメントの太さが安定しない。きっと、いろいろな失敗が待っています。

でもFabLabでは、その失敗も大切なデータです。「これはダメだった」「次はここを変えよう」という記録が、次の人の実験につながります。成功した結果だけでなく、うまくいかなかった回も、このブログで少しずつ紹介していきます。

竹を混ぜたら「糸島フィラメント」になる?

次に試してみたいのが、糸島らしい素材との組み合わせです。

たとえば竹粉を廃プラスチックに混ぜたら、どんな色や手触りになるのでしょう。竹の粒が見えるフィラメントになるのか。3Dプリントすると、少し木のような表情が現れるのか。

想像はどんどん広がります。その一方で、混ぜる割合、粒の細かさ、乾燥状態、フィラメント製造や3Dプリントへの影響など、確かめることもたくさんあります。

現時点では「竹入りフィラメントが作れる」と確認できたわけではありません。だからこそ、材料を少量に限定し、配合と結果を記録しながら試してみます。

いつか、糸島で生まれた廃材から、糸島でしか作れない素材ができたら。考えるだけでも面白くなってきます。

世界中のアーティストなら、何を作るだろう

Studio Kuraには、さまざまな国や地域からアーティストが滞在します。

素材の見方も、作品への使い方も、人によって違います。同じ一枚のプラスチックを見ても、ある人は彫刻を、ある人は道具を、ある人は土地の物語を思い浮かべるかもしれません。

地域で集めた廃プラスチックや竹を、造形、インスタレーション、プロダクト、リサーチなどへ展開できないか。安全な運用条件を整えたうえで、レジデンスアーティストにも実験へ参加してもらいたいと考えています。

FabLabの機械は、同じものを正確に作るためだけの道具ではありません。まだ答えのない素材に触れ、試し、失敗し、次の問いを見つけるための道具にもなります。

3Dデータから次の制作を考える入口については、「最初の3Dスキャンで迷わない、撮る前に決める3つのこと」もご覧ください。

ワクワクする実験ほど、安全第一で

プラスチックは、見た目が似ていても材質が異なります。xToolの公式安全情報でも、未知の材料を加工しないこと、加熱前に有害な煙やガスが発生しないか評価すること、十分な換気・排気と必要な保護具を用意することが案内されています。

FabLab糸島では、次の点を確認しながら実験を進めます。

  • 樹脂の種類が分からない材料や、異物が混じった材料を使わない
  • 材料ごとの安全情報を確認し、種類の違う樹脂を安易に混ぜない
  • 十分な換気・排気と、必要な保護具を用意する
  • 加熱中は機械から離れず、異臭や刺激を感じた場合は直ちに停止する
  • 高温になる部分や、下降するプレス面へ手を入れない
  • メーカー手順とFabLabスタッフの確認を優先する

現時点では、廃プラスチック実験の一般利用、持ち込み受付、講習、料金、予約方法は決まっていません。安全な材料範囲と手順を確認できるまでは、施設内の小規模な検証として進めます。

失敗も含めて、全部見せます

まだ、完成したフィラメントも、竹を混ぜた3Dプリント作品もありません。

今あるのは、新しい機械と、最初にプレスした小さなサンプル、そして「地域で捨てられるものを、地域でもう一度ものづくりの材料に戻したい」というアイデアです。

洗う。分ける。押す。砕く。線材にする。形にする。

次は何を押してみるのか。うまく粉砕できるのか。本当にフィラメントになるのか。竹を混ぜたらどうなるのか。そして、アーティストたちは何を作るのか。

一つずつ試しながら、ゴミが素材へ変わっていく過程を紹介していきます。成功も失敗も含めて、WonderPressから始まるFabLab糸島の新しい実験を、どうぞ一緒に楽しんでください。

公式情報

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